子どもの病気~症状にあわせた対応~


 (1)子どもの症状を見るポイント
 
 
【顔・表情】 【目】
・顔色が悪い
・ぼんやりしている
・目の動きに元気がない
・目やにがある目が赤い
・まぶたが腫れぼったい
・まぶしがる
・なみだ目である
【鼻】 【口】
・鼻水、鼻つまりがある
・くしゃみがある
・息づかいが荒い
・唇の色が悪い
・唇、口の中に痛みがある
・舌が赤い
・荒れている
【のど】 【耳】
・痛がる
・赤くなっている
・声がかれている
・咳が出る
・耳だれがある
・痛がる
・耳をさわる
【胸】 【皮膚
・呼吸が苦しそう
・咳、喘息がある
・咳で吐く
・赤く腫れている
・ポツポツと湿疹がある
・カサカサがある
・水泡、化膿、出血がある
・虫刺されで赤く腫れている
・打撲のあざがある
・傷がある
【お腹】 【尿】
・張っていてさわると痛がる
・股の付け根が腫れている
・回数、量、においがいつもとちがう
【便】 【食欲】
・量、色、固さ、回数、におい、下痢、便秘等いつもと違う ・普段より食欲がない
【睡眠】  
・泣いて目がさめる
・目ざめが悪く機嫌が悪い
 


子どもの元気な時の『平熱』を知っておくことが
症状の変化に気づくめやすになりま


○いつもと違うこんな時は子どもからのサインです!
 ・親から離れず機嫌が悪い(ぐずる)

 ・睡眠中に泣いて目が覚める
 ・元気がなく顔色が悪い
 ・きっかけがないのに吐いた
 ・便がゆるい
 ・いつもより食欲がない
 ・目やにがある。目が赤い

○今までなかった発しんに気がついたら・・・
 ・他の子どもたちとは別室へ移しましょう

 ・発しん以外の症状はないか?
 ・時間とともに増えていないか? などの観察をしましょう
 ・クラスや兄弟、一緒に遊んだ友だちの中に、疑われる感染症はでていないか確認をしましょう


 
  (2)治療方針

上気道症状(咳、鼻、のど痛)、発熱、腹痛、嘔気などの症状にあわせて、薬を調合します。
胃腸炎で発熱しても、経過中に上気道症状が併発してくることはよくあります。上気道症状に対応した総合感冒薬を基本にして、服用されると便利です。
症状がなくなって、すぐに治癒する場合ばかりではありませんので、1~2日追加服用が望ましいです。普通の風邪は3~4日で治癒します。服薬しても、改善しない・悪化する・新しい症状が加わった場合などは、症状が変化・悪化(気管支炎・肺炎・肝炎・膵炎・腎炎)しておりますので、追加検査・治療の変更・注射・点滴など(重症時は、午前・午後2回)が必要です。早めに受診下さい。
小児は、はっきりと症状を訴えません。頓服・座薬が効かない、嘔吐、ぐったりする、ひどい頭痛の場合には、重症の可能性が高いです。すぐに、受診してください。
咽頭の細菌検査が陽性の方は、症状がなくなった後2~3日までの治療が望ましいです。
溶連菌の場合は、特別な治療と1月後の尿検査が必要です。
アレルギー反応が起こり、咳喘息(咳の長期化)を併発すると、喘息の治療が必要となります。


 
   
  (3)嘔吐下痢症(はきくだし)
 
 ●家庭での治療

 ①吐いたら飲むな
  吐き気が強い間は、しばらくは何も飲ませない。

 ②まずは水分から
  吐き気がおちついてきたら水分を少しずつ飲ませる。
  (アクアライト、アクアサーナ、ソリタ顆粒、番茶、お湯、うすめたリンゴ果汁など)


 
  (4)下痢のときの食べ物(乳児)
 
 ●母乳の場合

 ①下痢のひどいとき
   母乳はそのまま続けてかまいません
   授乳を短時間で切りあげて、回数を多く
 ②下痢がよくなってきたら
   いつものとおり、ほしがるがけ飲ませてください

 ●ミルクの場合
 ①下痢のひどいとき
   ミルクを半分にうすめ、少量ずつ、回数を多く
 ②下痢がよくなってきたら
   ミルクの濃さを1/2→2/3→ふつう、と濃くしていく

 ●離乳食を食べていた子の場合
 ①下痢のひどいとき
   母乳、うすめたミルク、下痢治療乳、アクアライト、アクアサーナ、番茶、
   野菜スープやみそ汁のうわずみ、リンゴのすりおろし汁

 ②下痢が良くなってきたら
   とうふ、パンがゆ、おかゆ、ベビーせんべい、ウエハース、
   にんじんやかぼちゃの煮つぶし、煮込みうどん、白身魚の煮付け、など
   (ただし便の様子を見ながら慎重に)


 
  (5)下痢のときの食べ物(幼児~成人)

《何を食べるか、便と相談》
 ●便が水のようなときには水分を中心に
 ●便がドロドロならドロドロの食べ物を
 ●便がやわらかい程度ならやわらかい食べ物を

《水のような便のとき》
アクアライト、アクアサーナ、番茶、野菜スープ、
みそ汁、おもゆ、リンゴのすりおろし

《ドロドロの便のとき》
とうふ、パンがゆ、ベビーせんべい、ウエハース、
バナナの裏ごし、にんじんやかぼちゃの煮つぶし

《やわらかい便のとき》
おかゆ、うどん、白身魚の煮付け、卵、とりささ身、野菜の煮付け

 
 
  (6)医師が記入した意見書が望ましい感染症  
 
感染症名 感染しやすい期間 登園のめやす
麻しん(はしか) 発症1日前から発しん出現後の4日後まで 解熱後3日を経過してから
インフルエンザ 症状が有る期間(発症前24時間から発症後3日程度までが最も感染力が強い) 発症した後5日を経過し、かつ解熱した後2日を経過するまで
(幼児・乳幼児にあっては、3日を経過するまで)
風しん 発しん出現の前7日から後7日間くらい 発しんが消失してから
水痘(水ぼうそう) 発しん出現1~2日前から痂皮形成まで すべての発しんが痂皮化してから
流行性耳下腺炎
(おたふくかぜ)
発症3日前から耳下腺腫脹後4日 耳下腺、顎下腺、舌下腺、の腫脹が発現してから5日を経過するまで、かつ全身状態が良好になるまで
結核   医師により感染の恐れがないと認めるまで
咽頭結膜熱
(プール熱)
発熱、充血等症状が出現した数日間 主な症状が消え2日経過してから
流行性角結膜炎 充血、目やに等症状が出現した数日間 感染力が非常に強いため結膜炎の症状が消失してから
百日咳 抗菌薬を服用しない場合、咳出現後3週間を経過するまで 特有の咳が消失するまで、または5日間の適正な抗菌性物質製剤による治療を終了するまで
腸管出血性大腸菌感染症
(O157 、O26 、O111等)
  症状が治まり、かつ抗菌薬による治療が終了し、48時間を空けて連続2回の検便によって、いずれも菌陰性が確認されたもの
急性出血性結膜炎 ウイルスが呼吸器から1~2週間、便から数週間~数ヶ月排出される 医師により感染の恐れがないと認めるまで
髄膜炎菌性髄膜炎   医師により感染の恐れがないと認めるまで