カフェイン、人口甘味料(アスパルテーム)の健康への影響
   2015年2月、米連邦保健福祉省(HHS)と米連邦農務省(USDA)が、「2015年米国民食事ガイドライン(GL)」の作成に向けた諮問委員会(DGAC)による報告書を公表。今回の報告書では、コーヒーまたはカフェインと人口甘味料アスパルテームの健康への影響に関する項目などが追加された。

DGACは、米国民の多くは塩分、飽和脂肪酸、添加糖類の過剰摂取の状態にあるが、それぞれを減らそうとするのではなく、カロリーなどバランスの取れた健康な食事習慣の一環として減らすべきと提言。

 また、積極的な摂取あるいは摂取の制限が勧告されている栄養素ではないが、食の安全性に関する項目として新たにコーヒー/カフェインと各種慢性疾患のの関連、およびアスパルテームと健康被害のリスクに関する現在の見解が追加された。

 人口甘味料として広く用いられているアスパルテームについては、現時点では健康な成人への影響は小さいとされたが、DGACは摂取量を減らすべきと勧告されている添加糖類からの置き換えが加速する動きを牽制している。

 この他、食事からのコレステロール摂取に関する2010年GLの「300mg/日」を上限とする推奨を今回の報告書では撤廃。食事由来のコレステロール摂取と血清コレステロールの関連を適切に示すエビデンスがないとの見解を示した上で「コレステロールは過剰摂取が懸念される栄養素ではない」と述べている。
   DGACによる現在の見解
 
通常範囲のコーヒー/カフェイン摂取と健康の関連は?
コーヒー/カフェインと慢性疾患 DGACグレード
中等量(3~5杯/日あるいはカフェイン相当で400mg/日)のコーヒー摂取と健康な成人の心血管疾患(CVD)や若年死のリスク上昇が関連しないとの強く一貫したエビデンス(科学的根拠)がある
観察研究において中等量のコーヒー摂取と健康な成人の2型糖尿病およびCVDリスク減少の関連を示す一貫したエビデンスがある。同様に日常的なコーヒー摂取と肝臓、子宮内膜がんのリスク減少と関連およびその他のがん種との負の相関、または関連なしとのエビデンスもある。
カフェインと神経変性疾患
カフェイン摂取とパーキンソン病リスクの負の相関を示す一貫したエビデンスがある
カフェイン摂取と認知機能低下あるいは認知機能障害の弱いリスク低下,またはアルツハイマー病のリスク低下との関連を示す限定的なエビデンスがある。 限定的
アスパルテームとの関連は?
DGACの見解は欧州食品安全機関の食品添加物に関する見解「一般的な摂取量の範囲において、アスパルテームは安全で<同成分を含む食品の摂取制限が必要な>フェニルケトン尿症患者を除く健康な成人における健康被害のリスクはごく小さい」とおおむね一致している。
アスパルテーム摂取が男性において複数の造血系腫瘍(非ホジキンリンパ腫および多発性骨髄腫)リスクに関連する可能性を示した限定的かつ一貫しないエビデンスがあり、ヒトにおける長期の検討が必要と考えられる。さらに、<同成分摂取による>早産リスク上昇の可能性を示す限定的かつ一貫しないエビデンスもある。アスパルテームと頭痛の関連については、エビデンスが非常に限られているため結論を出すことが不可能摂取。 限定的
   

 


 
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